「引っ越しをする際に支払う仲介手数料ってなに?」「物件によって仲介手数料に違いがあるのはなぜ?」など、物件を賃貸したい場合に支払う仲介手数料について疑問に思っていませんか?
仲介手数料についての正しい知識がないと結果的に損をしたり、仲介手数料を上乗せされるなど悪質な不動産会社に騙されてしまう可能性もあります。
このページでは、不動産業界に長年携わって来た私が、仲介手数料の基本的な仕組みから、できるだけ安く済ませるための交渉方法などをわかりやすく解説していきます。
1. 仲介手数料とは初期費用の中の一つ
仲介手数料とは、賃貸物件を借りる際に支払う敷金や礼金、管理費などと同じ初期費用の中の一つです。
「なんのために支払うの?」「誰にいくら支払うの?」など、疑問に思っている方のために順を追って解説していきます。
1-1. 誰になんのために支払うの?
仲介手数料とは、簡単に説明すると家を探してくれた不動産会社に支払う手数料です。
契約が成立した時点で支払う手数料で、不動産会社に頼んで家を探して貰った場合でも、最終的に契約をしなかった時は仲介手数料を支払う必要はありません。
1-2. 仲介手数料はいくら支払うの?
結論から言うと、仲介手数料は不動産会社によって金額が異なります。
なぜなら不動産会社に支払う仲介手数料は、原則で契約した物件の家賃半月分、法律では最大1ヶ月分までと、統一されていないからです。
参考までに宅地建物取引業法第46条を載せておきます。
第四 貸借の媒介に関する報酬の額
宅地建物取引業者が宅地又は建物の貸借の媒介に関して依頼者の双方から受けることのできる報酬の額(当該媒介に係る消費税等相当額を含む。以下この規定において同じ。)の合計額は、当該宅地又は建物の借賃(当該貸借に係る消費税等相当額を含まないものとし、当該媒介が使用貸借に係るものである場合においては、当該宅地又は建物の通常の借賃をいう。以下同じ。)の一月分の1.1倍に相当する金額以内とする。この場合において、居住の用に供する建物の賃貸借の媒介に関して依頼者の一方から受けることのできる報酬の額は、当該媒介の依頼を受けるに当たって当該依頼者の承諾を得ている場合を除き、借賃の一月分の0.55倍に相当する金額以内とする。引用:宅地建物取引業法第46条
1-3. 仲介手数料には消費税がかかる
不動産仲介業務は消費税の課税対象とされているため、仲介手数料に加え消費税を支払う必要があります。
そのため、半月分の場合家賃0.55ヶ月分、1ヶ月の場合1.1ヶ月分がかかります。
1-4. 仲介手数料を支払うタイミング
仲介手数料は契約(重要事項説明)の後に一括で支払う方法が一般的です。
契約時に支払えないと鍵をもらえず入居できないため、お金をしっかり用意しておきましょう。
1-5. 仲介手数料を含む契約金の支払い方法
仲介手数料を含む契約金の支払い方法は、現金払いもできますが口座振込が主流です。
口座振込の場合は振込手数料がかかってしまいますが、現金払いとは違い、支払いをした履歴を残すことができます。
また、契約する物件によって仲介手数料を含む契約金は高額となるため、現金を持ち歩くのが不安な方は口座振込がおすすめです。
なお、クレジットカード払いができる不動産会社も近年増えてきています。
2-1. 値段交渉におすすめの時期
まずは、根本的な部分である交渉しやすい時期について解説していきます。
値段交渉におすすめの時期は、以下の特徴から4〜9月と言われています。
3. 仲介手数料無料の仕組み
世の中には仲介手数料が無料の不動産会社も存在します。
なぜ無料なのか疑問に思っている方も多いと思われるので、この章では仲介手数料が無料になる仕組みについて解説していきます。
3-1. 不動産会社が大家さんから広告費を貰っている
不動産会社が大家さんから広告費を得ている場合、仲介手数料が無料になります。
これは、空室を埋めたい大家さんが、借主の仲介手数料を肩代わりしているようなイメージです。
不動産会社によってはこういった物件のみを集め、ほとんど仲介手数料もかからない会社もあるので、費用を抑えたい方は前向きに検討しましょう。
しかし、「仲介手数料無料」に飛びつくと、損する可能性もあります。
3-2. 仲介手数料無料は本当にお得?
結論から言うと、仲介手数料が無料の不動産会社だけに絞って探すのは結果的に損をする可能性があります。
なぜなら、仲介手数料が無料な分、本来1ヶ月の礼金が2ヶ月分になっていたり、何らかの初期費用がプラスされている可能性があるからです。
そのため、始めから仲介手数料が無料の不動産会社だけに絞らず、半月分や1ヶ月分などもトータルで考慮し、それぞれ比較してから決めましょう。
対応が遅い場合がある
仲介手数料が無料な不動産会社は、顧客を多く抱えており、その分忙しい可能性が高く、対応が遅れたり多少雑になることもあります。
そのため、早急に物件を決めたい方は注意しましょう。